渓流のルアー釣りで「PEラインを使うメリットとデメリット」はあるのだろうか?

もしPEラインのメリットがあるとすれば、使わないのは勿体ないと感じてしまうのは私だけではないはず。

淡水魚の釣りもソルトの各釣りもPEライン(4本ないし8本の糸を縒って作られたライン)なしではゲームが成立しない昨今。

どんな釣りにも深く浸透することが出来た次世代ラインである「PEライン」

渓流釣りでも何かしらの恩恵があるのではないかと気になっていたが、PEラインを実際に使ってみて私なりに答えが出ました。

結論から言いますと
「PEラインでも、渓流ヤマメのルアー釣りは全く問題なく楽しめます」

ただし、PEラインの扱いに慣れた方に限ります。

もし、PEラインに慣れていない方はPEラインのライントラブルを抑制する方法を身に付けることが第一歩となります。詳しい説明は省きますが下記の5点に注意

・ロッドティップの絡み(ガイド形状で予防)
・リーダー結束部のコブでのトラブル
・ラインテンションを掛けて巻く
・風向きでティップ捌きの向きを変える
・細過ぎるPEラインは避ける

メリット・デメリットをみていきましょう。
渓流ルアー釣りでPEラインを使う「デメリット」
まずはデメリットから書いていきます。
  1. PEラインの毛羽立ちが早い
  2. キャストコントロールが効きづらい
  3. ライントラブルが増える
  4. トップガイドと1番ガイドにルアーが絡む
  5. リーダーが必要
  6. クモの巣が絡むと大変
6点のデメリットをあげてみました。

まずは、1番目の「PEラインの毛羽立ちが早い」から補足します。
1.PEラインの毛羽立ちが早い
渓流釣りは海釣りと違って、常に岩石のそばを積極的に1日で何百回も通す釣りになります。

PEラインの特徴であります「耐摩耗性に弱い」と言う脆弱性を身ずら使うことになりますので、PEラインの細さ=号数は出来るだけ太いラインを使う必要性が出て来ます。

余裕がある時はラインの傷具合をチェックする必要があります。

対策として出来るだけ長くリーダーを組むことが最善と考えられますが、渓流でショートキャストを多用することを考えると、それではPEラインを使うメリットがなくなるのでキャストしやすいリーダーの長さを見付けることが重要になって来ます。
2.キャストコントロールが効きづらい
渓流釣りは飛距離より、キャストアキュラシーが最重要視されます。

渓流では細いラインを使って飛距離を稼ぐと言った概念がないため、いかに狙ったピンスポットを射抜くかにタックルバランスを調整していきます。

ナイロンラインより圧倒的にライン直径が細いPEラインは、リール・スプールエッジの摩擦、ガイドでの摩擦、吸気抵抗を極小にすることが出来る。

そのため、キャスト時の放出スピードが非常に速くなってきます。なので海釣りで遠投するときはPEラインを用いります。

近距離を主体に釣りをする渓流では、超マッハでルアーが飛んでしまうとコントロールどころではなくなるのは言うまでもないのがお分かり頂けるはずです。
3.ライントラブルが増える
川の流れに対して下流側から釣り登っていく渓流釣り。

キャストは上流側に投げて、流れに乗せてルアーを引っ張って来ます。

自動的にルアーが自分の方に流れて来ますので、ラインが張られていない状況が常に作られてしまいます。

更にトゥイッチなどのアクションをルアーに加えると、ラインテンションが所々に抜けている状況が発生しますので、意識していても「ゆるフワ巻き」になってしまい、ライン団子の起爆剤を作ってしまいます。

解決策としまして、「ゆるフワ巻き」はどうすることも出来ないのでタックル側で抑制します。

上位機種で性能が高いスピニングリールを使うことによって、ライントラブルを幾分だけ抑制するか、スプールに巻くラインをとにかく少なくする以外に私は知りません。
4.トップガイドと1番ガイドにルアーが絡む
よくよく考えると、海釣りでは少しでも遠投するために「たらし」を長めにとって、その遠心力を利用してキャストします。

そのため、ルアーとロッドとの距離が必然的にながくなり干渉しにくくなります。

その反面、「たらし」を使わない渓流釣りは、ルアーとロッドとの距離がなく、ルアーがロッドのブランクスを叩くことも多々あるくらい「たらし」を必要としません。
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竿先からルアーまでの距離はおおよそ20㎝くらい

ルアーがティップのラインを拾ってキャスト時にトラブルになりがちです。
5.リーダーが必要
渓流に限らず、PEラインを使うにはリーダーライン(ショックリーダー)が必要になって来ます。

渓流のルアー釣りで、もしPEライ大変りますので、リーダーは組んだ方が良い釣りが出来ます。
6.クモの巣が絡むと大変
3月、解禁直後の肌寒い季節ならクモの巣も少なくPEラインに絡み付くことは少ないのですが、4月の中頃を過ぎて夏に向かうにつれてクモの巣が凄く増えて来ます。

ピッチングの様な射出スピードが緩やかなキャストをする際は、クモの巣の粘着性が原因でPEラインが思う様に出て行かないトラブルに見舞われます。スピニングタックルでストレスを感じるレベルなのでベイトタックルでは致命的です。

クモの巣が多い源流域ではPEラインはやや不得手と感じております。


まずは、デメリットから紹介しました。PEラインを使ってコレは良かったと感じたこともありましたので次はメリットを書いて行きます。
渓流釣りでPEラインを使う「メリット」
渓流釣りでのPEラインの優位性がこちら
  1. 遠距離射撃が出来る
  2. 柔らかいロッドでもアクションが楽
  3. 遠距離でもトゥイッチが出来る
  4. 他方からの流用出来る
メリットは少ないですが、なんと言っても遠距離でのアクションの優位性がピカイチです。
1.遠距離射撃が出来る
デメリットでも書きましたが、PEラインの遠投性はずば抜けております。

ナイロンラインでのキャストでは届かないような、奥の奥まで無理にでもキャストするシュチエーションがある場合は、PEラインを組んだタックルは大有りです。

渓流のショートロッドで、そのままレイクトラウトをちょっとだけ狙うゲームプランの時もPEラインは助かります。
2.柔らかいロッドでもアクションが楽
ナイロンラインには伸びがあり、どれだけ伸びるのかは伸び率と言われます。

ちなみに、フロロラインでは20%ほどと言われております。

ナイロンラインの伸び率は30%ほど伸びるといわれており、1mでは30㎝も伸びてしまう計算になります。

すると、どうなるかと言いますと

例えば、竿先に長いゴムを付け、その先にルアーを付けて壁に固定したとします。

ロッドをいくらシャクってもゴムが伸びてルアーがあまり動かないことが想像できます。

釣りのラインは、目には見えないのですが、ゴムの例えと同じようなことが水中で起きているのです。

柔らかいロッド + 伸びるラインを組み合わせるとルアーをキビキビ動かすことが難しくなるのはこのためです。

ここ数年で爆発的に人気が出て来たのが、みんなが大好きな「PEライン」です。

伸び率は約5%でほぼ伸びないライン。

この伸び率の低さを利用したら、柔らかいロッドでもアクションの入力を行ったときにダイレクトに入力が入るので、アクション時に力む必要がなくなります。

怪我などをしたりして手や腕に力が入らない時は、PEラインを組んだらロッドアクションの入力は弱めでもミノーはちゃんとキビキビと動いてくれるます。応用次第では他にも色々とメリットがあるかも知れませんね。
3.遠距離でもトゥイッチが出来る
上記に書きましたPEライン伸び率のお話の続きになります。

伸び率がとても低いことと、ライン直径が細いこともあり水切れが良いために、遠距離でのルアー操作に抜群の威力を発揮します。

ナイロンラインでは手首が取れてしまいそうなほど悲鳴をあげる遠距離での連続トゥイッチアクション。

この苦行ともいえる遠距離攻略において、完全なる救世主となるのが「PEライン」です。

遠距離戦を多用される方はPEラインはありですね。
4.他方から流用できる
実はアジングタックルそのままで渓流釣りが楽しめます。

ただし、PEラインは最低でも0.6号以上を使わないと岩に擦れてプツプツ切れます間違えてもエステルラインは使わないようにしましょう。

なので、普段ライトソルトで使っているPEラインを巻いたリールを流用することで渓流釣りが楽しめちゃうってお話です。潮抜きにも良いですし一石二鳥。
まとめ
・渓流でPEラインを使うデメリット
  1. PEラインの毛羽立ちが早い
  2. キャストコントロールが効きづらい
  3. ライントラブルが増える
  4. トップガイドと1番ガイドにルアーが絡む
  5. リーダーが必要
  6. クモの巣が絡むと大変
・渓流でPEラインを使うメリット
  1. 遠距離射撃が出来る
  2. 柔らかいロッドでもアクションが楽
  3. 遠距離でもトゥイッチが出来る
  4. 他方からの流用出来る
デメリットが多い反面で、至近距離~遠距離でのロッドアクションの操作性は代えがたいものがあり、ハイプレッシャーな渓やレイクトラウトには高い優位性を感じております。

クモの巣に弱いけど、それ以上のメリットが勝っています。

2021/04/18 本文追記